●自分で庭を造りたいのですが何もわかりません。どうしたらいいでしょう。
まず、大きく「設計」と「施工」に分けて考えてみましょう。
「設計」で一番大事なのは、どんな庭が好きなのか、をはっきりさせることです。松があって石があって池にはコイが泳いでいるような庭でしょうか。アメリカのTVドラマに出てくるような一面芝生で友達とBBQができるような庭でしょうか。それとも最近流行のイングリッシュガーデンでしょうか。
まずは、これいいな、と思った庭の写真を集めましょう。本屋に行けばいやというほど雑誌・書籍が出ていますし、新聞折り込み住宅会社のチラシなども参考になります。ご近所を散歩して、ちょっと庭を覗かせてもらうのもいいでしょう。
だいたいイメージがまとまったら大まかな図面を書いてみます。1坪ぐらいの庭でも、事前に設計図を書いてみることでイメージもはっきりしてきます。また、レンガで通路を作ったり、花壇ブロックを並べる場合に、図面から必要個数を計算できます。
設計の段階で、こう2つに分けて考えてみてはどうでしょう。1つは通路・花壇・噴水・フェンス等のハードの部分。もう1つは植木・草・花等のソフトの部分。フラワーガーデンみたいなものでしたら、ソフトの部分は季節ごとに変わりますが、いずれにしてもハードの部分の変更は手間もお金もかかりますので、慎重な検討が必要です。
あと気を付けなくてはならないのが日当たり。日当たりを好むと言われているものでも、一日に3、4時間日射があればなんとかなります。一日中全く日が射さない場所の場合は植物の種類に気を付けなくてはなりません。植木で私たちがよく使うのが、ツバキ・サザンカの仲間です。これは一日中全く日が射さなくても毎年花を付けてくれます。
さて、『施工』です。施工に必要なのは、やる気と根気。以上。・・・・・・と、これで終わってしまっては不親切ですね。
一番大切なのは、「まっすぐであるべきところをまっすぐに。平らであるべきところを平らに。」です。植木・草花の配置はそんなに神経質になることはありません。しかし、例えばレンガ敷きの通路を作る場合、「まっすぐ・平ら」がとても重要です。まっすぐであるべきところが波打っていたりすると、これほど見苦しいものはありません。素人なんだからそんなにうまくできないよ、と思われる方がほとんどかも知れません。しかし、素人の人にとっては時間という武器がたっぷりとあります。納得いくまで試行錯誤をしながらやって下さい。
最後になりましたが、一番大切なこと。
---庭づくりには、絶対に正しいこと・絶対に間違っていること、は存在しません。昔からの伝統の中で、こうすべき、という事柄がたくさんありますが、それも絶対のものではありません。昔からの様式、方法論を勉強することは大切ですが、それに振り回されてはいけません。あなたがつくるのは、『あなたの庭』だからです。---
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●何か木を植えたいのですが、一般的には時季はいつがいいんでしょうか。
よく訊かれる質問です。答は簡単なのですが、いちばん答えにくい質問でもあります。
例えば、ハナミズキ、シャラは春、マキ、モチの木は夏、ボケ、キンモクセイは秋、梅、松は冬がいちばんいいのです。、つまりその樹木によって一年間バラバラです。理想を言えば1年間掛けて庭づくりをするのがいちばんいいのですが、そういう訳にもいきません。
そこで、暑くもなく寒くもない春と秋が、一般的に庭づくりの季節とされているようです。春先に咲く花が圧倒的に多いので、実際の花を見て樹木を購入できるということから、当社でもやはり春に作庭を依頼されることがいちばん多くなっています。
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●植木の手入れって、いつがいちばんいいんでしょう。
これもよく尋ねられます。
理想をいえば春・秋の年2回(あるいはそれ以上)。多くの樹木は春に花を付けます。そして、花後2、3カ月のうちに剪定してあげればまた翌年も花を付けます。例えばツツジですが、5月に花を付けてその年の8月には次の年の花芽(蕾)ができてしまいます。ですから、7月くらいまでに剪定してあげれば、翌年も咲きます。
だいたい春先に花が一段落したら、花物の剪定。ここで他の木も手入れをしてあげれば理想的なのですが、この季節は成長が旺盛なので1カ月もするとまたもとの姿に戻ってしまいます。そこで春に手入れした物以外は秋に剪定するのがいいでしょう。するともうほとんど伸びませんので、正月から次の年の春先までそのままのきれいな庭が眺められるというものです。
自分で自分の庭に手を掛けられる場合はいいのですが、植木屋さんを頼む場合は金銭的なこともあって年1回秋に、という場合が多いです。こうなると花物はどうしてもごく軽い剪定になってしまいますので、どんどん成長し庭の景観が崩れてしまいます。植木屋さんの手間も安くはないので仕方がないのですが・・・。
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●畳一枚分ぐらいしかスペースがないんですが、どうすればいいですか。
それだけあれば十分です。(笑)
洋風ですと、トレリスとハンギングバスケットを利用して立体的にスペースを使えます。50*50cmぐらいで噴水も作れます。和風であれば、つくばいと灯篭を据え、下草をあしらいます。あるいは金閣寺垣をめぐらし景石を据え付け、玉砂利を撒きます。和風庭園には『坪庭』という伝統がありますので、デザインは無限です。
共通して言えることは、スペースが小さいからといって、それに合わせて木にしても石にしても小さめのものを用いないことです。よけいにごちゃごちゃしてしまって逆効果です。逆に大振りなものを用いて簡素にまとめてみましょう。この方がすっきりして、スペースが広く見える効果があります。
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●草が出ないように砂利を敷きたいんですが。
砂利も効果的に使えば、メインテナンスも楽になるし見栄えも良くなります。
そこで、プロの目から見た効果的な砂利の使い方、ワンポイントアドバイスを書いておきます。
・砂利の下は必ずモルタルを塗るかシートを敷くこと。
土の上に直接砂利を撒いてしまうと、しばらくすると土と砂利が混じって汚くなったり、砂利が土の中に沈んで無くなったりします。それを防ぐためにモルタル(セメント)を下塗りするか除草シート等を敷くことをお勧めします。モルタルの場合はセメント5:砂1ぐらいの割合で練って、厚さは1cmぐらいに塗ります。このくらいですと、大雨が降っても水は溜まらずに浸透します。除草シートは1平米あたり500円ぐらいで売っています。なければ網戸の網などでもかまいません。
・砕石は使わない。
庭に使う砂利には砕石はやめた方がいいでしょう。砕石は石の角が尖っていて、お子さんや高齢の方が転んだときに危険です。角が丸い砂利(玉砂利)を使いましょう。
・歩く場所には飛石、敷石を敷く。
砂利の上を直接歩くと歩きにくいものです。頻繁に歩く場所には、飛び石、敷石、コンクリート平板などを敷きましょう。たまに歩くようなところには、3分か5分の大きさの玉砂利が歩きやすいです。
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