くじ

 6月10日(木) 植木掘取り、インターンシップ初日
 6月9日(水) 事務
 6月8日(火) 植木掘取り、撤去
 6月7日(月) 着工

画像をクリックすると大きくなります。
   
6月10日(木) 植木掘取り、インターンシップ初日 曇り

 ものつくり大学の学生K君(2年生)のインターンシップ初日。一緒に熊谷市の移植工事現場へ行ってもらう。
 植木の掘り取りは、人力と機械(バックホー)の併用で行う。
 まずバックホーで根鉢(と想定するライン)より一回り大きく掘る。機械が動くスペースさえ許せば、幹から放射状に(つまり根と平行に)バケットを動かして掘削するのが基本である。仕方なく根と直角にバケットを動かす場合は、根が引っかかったら無理矢理引きちぎろうとしないで、ノコギリなどを使って人力で根切りをしなければならない。そうしないと簡単に根鉢は崩れてしまう。
 バックホーで十分深く掘ったら、スコップで根鉢をこそげるようにして形を整える。バックホーで十分深く・広く掘ってあれば、穴の中に立ちって作業できるので楽だ。根鉢を整形した土で穴が埋まってきたら、適宜バックホーですくい上げる。
 機械が使えない場所での掘り取りでは、掘る(スコップを土に差しテコの要領で土を浮かせる)のに体力を使うのは当然であるが、その土を穴の中から外へ移動させる(持ち上げる)のに思ったよりも体力を使う。それに比べ機械併用の場合、土の位置エネルギー的には上→下の移動だけなので人間も楽だ。

 根鉢は崩れないように、麻布と麻縄で巻く。この布と縄は、植栽するときにはそのまま埋めてしまう。うちの売店で根巻の植木を買っていただいたお客さんから『植えるときにはこの布は取るのですか?』とよく聞かれるのだが、この布は取らなくてもいい。(というよりも、取ってはいけない。)
 植栽後に風などで木が揺すられた場合、布で巻いていないと根鉢が崩れてしまう(→活着が悪く枯れてしまうことも)からだ。布自体は、適切に潅水していれば3ヶ月もすればボロボロに腐り、数年で跡形もなくなってしまうので心配は要らない。

 昼休み、職人の1人がツバメの巣を発見。見ると親が盛んに出入りをしている。
 このすぐ近くにベル(ジリリリリリン、という典型的な音)があり、鳴っている時間は1、2秒なのだがそれなりに頻繁に鳴っている。ツバメにベルの音は聞こえないのだろうか。庇の下に位置し、巣を作る場所的には教科書通りなのだが、騒音問題にまでは気をつかわなかったらしい。

 掘り取った植木は、植栽先に置いておくもの、うちの植木場に仮植えするのもに分け、順次運び出す。
 今日が初日のK君(写真手前側)は、自分からは何をやったらいいのかわからないので、多くの時間は見学となる。
 簡単なことは指示をしやってもらってはいるが、危険を伴う作業も多いため何でもやってもらうわけにはいかない。また、忙しく作業をしているときなどはあれこれと指示や説明をできないことが多い。こ時間に追われているときなどは、かまっていられないというのが本音だ。
 仕事内容・段取り等に慣れるまでは、とりあえず危なくない簡単な作業をやってもらって、あとは見ていてもらうしかない。今まで実際の現場に接したことがなかったK君としては、見ることで勉強になることも多いと思う。
 インターンシップ生を受け入れるのは今年が初めてだが、これがK君にもうちにもいい経験になればと思う。

   
6月9日(水) 事務 曇り

 6/4に入札がありめでたく受注できた、さきたま古墳公園拡張区域雑草刈払の契約書を整え、行田県土整備事務所に提出。
 昨日の現場説明会で渡された仕様書に関しての質疑の有無を、さきたま資料館にFAXで連絡。もちろん質問無し。......というのも、覚えている限りほとんど毎年前年と変わらない仕様書だから。
 午後からあちこち連絡を取り、5/14に施主さんたちと共に下見に行った植木の搬入日等の調整をする。

   
6月8日(火) 植木掘取り、撤去 曇り一時雨

 昨日に続き、熊谷市の現場。不要な樹木の撤去、移植樹木の根巻等を行う。

 これはハナミズキ
 一般的にいって、落葉樹は葉が落ちている11月〜3月、常緑樹は4月〜6月ぐらいが移植の適季とされる(これに当てはまらない樹種ももちろんたくさんある)。今の時期のハナミズキの移植はあまり良くない。........が、やるしかないわけである。
 植木のことを考えて数年計画(事前の根回し等が必要)で庭を造る、なんてことができればいいのだが、そうもいっていられない。与えられた条件(工期・予算・作業条件他)の中で、どれだけベストの結果が出せるかというのも、職人のウデ(とアタマ)の見せ所だと思う。
 県立さきたま資料館発注、さきたま古墳群の古墳墳丘部雑草刈払現場説明あり。(現場説明とはいっても、各業者一堂に会した会議室で仕様書を渡されるだけ)

   
6月7日(月) 着工 曇り時々雨

 朝から小雨。今日から熊谷市の植栽工事着工。6/1に打ち合わせをしたお宅。まだまだ建物は完成していないのだが、早く始めないと期限までに間に合わなくなる。(現時点で、もう間に合わないのは確実ではあるが...)

 旧宅の植木を使えるだけ使うとのことで、まずは不要な植木の撤去と門塀の解体から。
 下のアスファルト面にコンパネを敷いて養生をし、バックホーで門柱をなぎ倒す。大谷石の門柱で鉄筋は入っていないので、簡単に倒れる。壊したものは、端からどんどんダンプに積も込む。
 そうこうしているうちに、だんだんと雨が強くなってきた。もともと天気予報は悪く、施主さんの希望で今日形だけでも着工してくれとのことだったので作業を始めたのだが、こう雨が強くなっては続行不可能。ダンプ1台積みあがったところで、今日の作業は中止。

 ここにきて、解体時に出るコンクリートガラのリサイクルの制度は進んでいる。各地にプラント(要は廃コンクリートを砕いて細かくする)ができ、細かく砕かれたコンクリートは再生砕石という名で路盤材などに使われている。
 しかし、今日壊した大谷石は厄介者扱いをされる。コンクリート再生プラントでは、大谷石を受け入れてくれないところが多いのだ。理由は『薄緑の色がついてしまう』からだという。
 公共工事等で再生砕石を使う場合、他の材料と同様に品質証明書(みたいなもの)を提出しなければならない。通常、品質証明書は再生プラントが試験機関に資料を提出し、各種テストしてもらう。しかしその時に、大谷石が混入しているとまずいらしいのだ。同様に瓦、レンガ等もダメ。
 民間工事用として出荷するのならば問題はないのだろうが、そうすると廃材ストックヤードが別に必要となり、手間もかかる。そのため受け入れているところでも、料金は普通の無筋コンクリートの2倍ぐらいとなる。
 午後、ものつくり大学三原先生が学生3人を連れて挨拶にみえる。10日からインターンシップでうちに来る学生だ。(3人のうちの1人)学生を受け入れるのは初めてのこと。お互いうまいこといけばいいが。

   
   
   
↓↓ 今話題の庭の本 amazon.co.jpで買えます ↓↓