6月10日(木) 植木掘取り、インターンシップ初日 曇り
ものつくり大学の学生K君(2年生)のインターンシップ初日。一緒に熊谷市の移植工事現場へ行ってもらう。
植木の掘り取りは、人力と機械(バックホー)の併用で行う。
まずバックホーで根鉢(と想定するライン)より一回り大きく掘る。機械が動くスペースさえ許せば、幹から放射状に(つまり根と平行に)バケットを動かして掘削するのが基本である。仕方なく根と直角にバケットを動かす場合は、根が引っかかったら無理矢理引きちぎろうとしないで、ノコギリなどを使って人力で根切りをしなければならない。そうしないと簡単に根鉢は崩れてしまう。
バックホーで十分深く掘ったら、スコップで根鉢をこそげるようにして形を整える。バックホーで十分深く・広く掘ってあれば、穴の中に立ちって作業できるので楽だ。根鉢を整形した土で穴が埋まってきたら、適宜バックホーですくい上げる。
機械が使えない場所での掘り取りでは、掘る(スコップを土に差しテコの要領で土を浮かせる)のに体力を使うのは当然であるが、その土を穴の中から外へ移動させる(持ち上げる)のに思ったよりも体力を使う。それに比べ機械併用の場合、土の位置エネルギー的には上→下の移動だけなので人間も楽だ。
根鉢は崩れないように、麻布と麻縄で巻く。この布と縄は、植栽するときにはそのまま埋めてしまう。うちの売店で根巻の植木を買っていただいたお客さんから『植えるときにはこの布は取るのですか?』とよく聞かれるのだが、この布は取らなくてもいい。(というよりも、取ってはいけない。)
植栽後に風などで木が揺すられた場合、布で巻いていないと根鉢が崩れてしまう(→活着が悪く枯れてしまうことも)からだ。布自体は、適切に潅水していれば3ヶ月もすればボロボロに腐り、数年で跡形もなくなってしまうので心配は要らない。
昼休み、職人の1人がツバメの巣を発見。見ると親が盛んに出入りをしている。
このすぐ近くにベル(ジリリリリリン、という典型的な音)があり、鳴っている時間は1、2秒なのだがそれなりに頻繁に鳴っている。ツバメにベルの音は聞こえないのだろうか。庇の下に位置し、巣を作る場所的には教科書通りなのだが、騒音問題にまでは気をつかわなかったらしい。
掘り取った植木は、植栽先に置いておくもの、うちの植木場に仮植えするのもに分け、順次運び出す。
今日が初日のK君(写真手前側)は、自分からは何をやったらいいのかわからないので、多くの時間は見学となる。
簡単なことは指示をしやってもらってはいるが、危険を伴う作業も多いため何でもやってもらうわけにはいかない。また、忙しく作業をしているときなどはあれこれと指示や説明をできないことが多い。こ時間に追われているときなどは、かまっていられないというのが本音だ。
仕事内容・段取り等に慣れるまでは、とりあえず危なくない簡単な作業をやってもらって、あとは見ていてもらうしかない。今まで実際の現場に接したことがなかったK君としては、見ることで勉強になることも多いと思う。
インターンシップ生を受け入れるのは今年が初めてだが、これがK君にもうちにもいい経験になればと思う。
|